抗生物質が効かないニキビ。耐性菌の問題か?


  • 皮膚科で飲み薬、塗り薬を処方してもらい、最初は効果が出ていたのですが、だんだん効がなくなっています。
  • 抗生物質を処方してもらい、使っていた時は全くニキビができなかったのですが、使用をやめると一気に出始めました。
  • ミノマイシンから始まり色々と飲んできましたが、耐性菌が出来たため、今はバナンを10年ほど飲み対処療法にしています。
  • 始めの頃は劇的に効いていたのですが、最近は効果が弱いような気がしています。

「ニキビを治す」ために抗生物質を使用することは少なくないようですが、抗生物質は様々な所で言われるように「だんだん効かなくなる」ということもあります。

ニキビに限りませんが、抗生物質は長期使用すると、殺菌耐性のある菌が生き残り、薬の効果がなくなってしまう性質があるからです。(「頻繁に使ってはいけない」と言われるのはそのためです。)

ですから基本的には「対症療法」として使用されますし、実際、多くの場合はニキビは「一時的な症状」で済みますので、「薬でニキビを治す→終わり」で済みます。

薬剤耐性ニキビ菌が増えている?

とはいえ、やはりニキビに限りませんが、抗生物質の使用と、その生き残りの菌が増加する結果、抗生物質が効かないニキビ菌も増えているといいます。

(以下参照:Super acne? Drug-resistant zits on the rise – Health – Skin and beauty | NBC News

記事中程引用翻訳

“10~30%のニキビ患者は、いくつかの耐性菌を持つと皮膚科医は言います。

ほとんど調査では薬物抵抗性ニキビに関する発表はありませんでしたが、アクネ菌の分離株の50%以上は、一般に処方されるた抗生物質エリスロマイシンに耐性だと、フランスの研究者は2001年に発見しています。

抗生物質ははじめは効くのですが、そのため患者はついに完治したと思います。そして、突然、ニキビは再発します。しかも悪化を伴う場合もあります。”

「ニキビが治らない」と「ニキビをくり返す」

とはいえ、仮に抗生物質が効かないニキビ菌があるとしても、ニキビそのものは復数の条件が重なり形成されるものです。

ニキビは「角質層の形成・皮脂分泌・皮膚常在菌」という「誰でも持っている条件」のバランスによって形成されるからです。

つまり「毛穴がふさがって皮脂が皮膚表面に出れない」ということがないなら、ニキビそのものが形成されようがありません。(参照:大人ニキビの原因と、それを知っても治らない理由

抗生物質で対処して、その間に根本治療って

また抗生物質で対処療法をして、その間に根本治療をしましょう、というお話もあります。

そしてピーリングやディフェリンその他などの方法で根本治療とします。もちろん「ニキビのツブ」を治すことが目的なら、ニキビ状態の毛穴の構造を破壊すれば「ニキビの完治」とはいえます。(参照:皮膚科の治療薬でもくり返すニキビを根本解消して健康美肌になる方法皮膚科でもくり返す、しつこいニキビを根本的に止める方法

でも、くりかえしますがニキビは「角質層の形成・皮脂分泌・皮膚常在菌」という「誰でも持っている条件」によって形成されます。

つまり「角質層の形成・皮脂分泌・皮膚常在菌」のバランスの問題が解決しないままなら、「ニキビが繰り返される」という問題もそのままであるということです。(参照:皮膚科のピーリングでも再発するニキビを肌から変えるディフェリンで悪化したなら、ニキビを治す前に

そしてまた逆にいえば、「薬が効かないニキビ菌だから、ニキビが治らない」というのもひとつの考え方ですが、「そもそもニキビの条件が揃わない肌の状態なら、殺菌する必要もない」わけです。

抗生物質でも、復数の治療法でもニキビをくり返すなら

角質層の形成も皮脂分泌も皮膚常在菌の棲息も、その人体が生きている間は当たり前に続きます。

このバランスの乱れがニキビの形成につながりますし、その他のトラブル(毛穴周りのトラブル、乾燥や肌荒れ、皮脂過剰やニキビ跡がキレイに治りにくいなど)の、直接・間接的な要因ともなります。

できたニキビを何度完治させても、毛穴まで続く皮膚表面の状態が「変わらない」なら、やはりニキビをくり返したり、他のトラブルを併発することも「変わらない」ということも、不思議なことではありません。

「治る」という言葉が、「対症療法」と「ニキビ慢性化の解決」を混同させますし、「ブツブツ」している形状のために多くの誤解を招いています。

ニキビはいわゆる発疹とは別の経緯で形成されるもので、「体毛の薄い哺乳類であるヒト」の皮膚の構造上、形成されてしまう肌トラブルです。

もしニキビが慢性化し、その慢性化を解決することがあなたの目的なら、「ニキビという病気の根があり、それを治せば治る」というタイプの問題とは、違う見方が必要になります。

「くり返すニキビ」の場合では、その根本的な解消に必要なのは、「くり返すこと」の解決になるからで、それはいわゆる「病気の根」とは違う道筋の問題です。

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2014年8月28日14:48 / 投稿者:kazuyuki terada