ノンコメドジェニック化粧品でもニキビが治らない

ノンコメドジェニック化粧品でもニキビが増える・治らないご相談。


ノンコメドジェニック化粧品に過度な期待を持って使用され、うまく行かず、お悩みになる方もいるようです。

  • ノンコメドジェニックの化粧水をいくつか使ったのですが、塗った翌朝から小さいニキビが出来るなど上手くいきません
  • 皮膚科での塗り薬が効果なかったり副作用であわず、スキンケアもニキビ系やノンコメドジェニックに変えたりしましたが肌状態は変わりません。
  • 今まで肌に優しいもの、無添加石鹸、ニキビ予防出来るもの、ノンコメドジェニックなど色々試してきたのですがどれも全然効果が無いように感じます。

ノンコメドジェニックでもニキビが治らない質問

この問題は、単にノンコメドジェニックテスト済み化粧品だけではなく、化粧品、肌、ニキビと、それぞれに誤解があり、それが重なる結果出てくるお悩みです。
少しづつ整理していきましょう。

毛穴がニキビになるプロセス

普通の毛穴がニキビに変化する過程では、以下のようなプロセスを経ます。
毛穴がニキビになるまで

肌の構造と化粧品の「効果」

肌の表面では常に細胞が入れ替わりながら、角質層というバリアを維持しています。
肌表面のバリア構造
このバリアが正常に機能していれば、異物は侵入しにくく、見た目にもきれいな状態です。
角質層と化粧品
化粧品は、法律上も薬品と区分され、「病気への効き目(と同時に副作用)」のリスクもないものです。宣伝では「薬的な効果がある」と感じますが、何かをしみこませて「効かせる・治療する」ものではありません。
(参照:口コミランキングで評判の大人ニキビの化粧水。でも現実は

ノンコメドジェニックテスト済みとは?

ノンコメドジェニックテスト自体は、被験者の背中に化粧品のパッチを当て、コメド形成や変化はないか?を調べるものです。
(参照:ノンコメドジェニックテスト(コメド形成能試験)とは・・[PDF])

※でも実際には製品に、「全ての方にコメド(ニキビのもと)が発生しないということではありません。」とあるのは確認できるかと思います。
アメリカでも行われているようです。

「アレルギーテスト済み」等の表記でも、「アレルギーが起きないわけではない」と添え書きがありますが、いずれも販売側が、「ユーザーの化粧品選びの行動」に対して行うアプローチと考えておきましょう。(実際選ばれてますからね。)
(参照:化粧品等の適正広告ガイドライン[PDF])

とはいえ「化粧品を変えたタイミングでニキビがでた経験」をした方もいると思います。

では「何が起きてニキビができたのか?」いくつかパターンが考えられます。

そもそも化粧品がニキビを作るの?

ニキビは、「肌表面が毛穴をふさぐ→皮脂が毛穴から出れない→ふさがった毛穴で菌が増え炎症」といったプロセスが重なった結果です。

仮に化粧品でニキビを作るなら、「毛穴をふさぐよう肌表面を厚くし、皮脂分泌を活発にし、ふさがった毛穴でニキビ菌や、化膿を起こす菌を増やす」ような化粧品が必要です。

バリアを壊したらニキビができる

ピーリング的な方法で、毛穴をふさぐバリアを除去すれば、ニキビの構造は壊れます。
ノンコメドジェニック化粧品でニキビが出切る理由1
それでニキビの治療や予防はできますが、肌の表面は「壊しても常に作られ続けているもの」です。なので「除去してもまた毛穴をふさぐ」ことはよくあることです。
そして、治そうと頑張って、さらに過度にバリアを壊すと、余計に肌を急いで作る→毛穴がふさがる→ニキビが増えることもあります。

バリアを壊さないからニキビができる

上記とは逆に、それまでバリアを壊し続けることでニキビを予防していた場合、壊さなくなるとニキビができることはあります。理由はシンプルで「壊さないからできる」です。
ノンコメドジェニック化粧品でニキビが出切る理由2

他にも

「以前より保湿力が不足した」「(肌の状態によっては)刺激があった」「モノではなく方法が悪かった」等も要因になりえますが、いずれも薬の副作用的なものではないことは留意しておいてください。

実際のケースでは、元々の肌質、その人の経緯など、様々な想定をが必要がです。でも化粧品に「効き目(と副作用)」を想定してしまうと、それらの可能性を見逃しがちです。

結果、「栄養が多かったかも」「好転反応です」「インナーケアが足りない」など、雰囲気はあるが、よくわからない説明を聞いたり、化粧品ジプシーなどに至ることになります。(参照:エステでのニキビ悪化や増加は好転反応?)

「ニキビを治す」と「ニキビの慢性化解決」は必ずしも一致しません。ニキビは「治せばできなくなる」ようなトラブルでもないですし、化粧品は薬ではないし、ノンコメドジェニックテスト済み化粧品はニキビを治したり止めたりするものとは違います。(参照:「何をしてもニキビが治らないのはなぜ?」というご質問)

「ノンコメドジェニックコスメでニキビ跡が治りません。」

  • ニキビが大量にあります。ちゃんと保湿をしているしノンコメドジェニックを使っていますが良くならず、跡も消えません。
  • ニキビに悩むようになってからは、ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品を変わる変わる使っています。でも、どれもニキビは解消されず、跡も増えていきます。

ノンコメドジェニック化粧品でニキビが治らない

ニキビ跡についてもご相談がありますが、上記同様です。

ニキビは状態としては「毛穴の小さな傷」のような状態で、キレイに治癒するにはいくつかのプロセスや条件が必要です。
それができない肌では、ニキビができやすく跡が残りやすい、ということも起きてしまいがちです。

そもそもノンコメドジェニックテストは、ニキビができない保証ではありませんし、それ以前に化粧品はニキビを治すものでもありません。ニキビ跡でも同様です。(参照:ニキビ跡が皮膚科でも治らない場合の方針のたて方

ノンコメドジェニック化粧品でも治らないニキビはどうすれば?

ノンコメドジェニックテスト済みの化粧品は、(「何を使えばいいかわからない悩み」には、目安の提供にはなるかもしれませんが)そもそも「ニキビを治すもの・止めるもの」でもありませんし、「ニキビができない保証」でもありません。

ここを誤解すると、「治るはずなのにおかしい!」と考えてしまい、さらに「悩み方」を拗らせる可能性もあります。

実際にニキビが慢性化し、それを解消したい場合、自分の悩みは何か?何が問題なのか?など、整理しておくことが大切です。

もしあなたが「自分に合う化粧品に出会えれば、ニキビは治り、できなくなる」と固く信じてるなら、お手伝いできることはありませんが、もし、「ちょっと今までの思いこみ自体がおかしいかも」とお考えでしたら、カウンセリングフォームから一度ご相談ください。

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2021年9月24日20:59 / 投稿者:kazuyuki terada