皮脂腺凝固法でもニキビ治らず。どうすれば?というご質問
一般的ではない(ニキビの標準治療ではない)せいかもしれませんが、一部で皮脂腺凝固治療でもニキビが治らないというご相談をいただきます。
- 皮脂腺を電気で壊す治療を行なっても思うような変化はなし。ホルモン治療をやれと言われたり、やるなと言われたり、もううんざりで自分がどうしたいかわかりません。
- 東京のクリニックでPDT治療を受けて一時ニキビが軽快しましたが、半年と経たずに再発。今は皮脂腺凝固の治療を始めましたが、出続けますし、高額なため続けるのは難しいです。
- 3か月以上、高周波治療アグネスを行ってますが、現在に至るまで出ない日のほうが少ない状況です。最近は口回り、顎、鼻周り、頬でよくできます。
- 皮膚科で色んな薬でも、ピーリングや美容皮膚科でも良くならず、皮脂腺凝固メソッドを始めたのですが、少し良くなっても、やはり再発を繰り返してます。
- 色々試し、先日皮脂腺凝固をしましたが、跡が残るので困っています
などです。このような場合、問題をどう考えて、どう対処するといいか?スキンケアの立場から考えます。
ニキビができるプロセス
ニキビは肌表面のバリア(角質層)が毛穴をふさぎ、本来なら肌表面へ排出される皮脂が毛穴から出れなくなり、ニキビ菌などの要因で炎症が起きるといった過程で進行します。
このようなプロセスで、毛穴がニキビ状態になります。
皮脂腺凝固法のニキビへの効果
一般的(標準的)な医療でのニキビ治療では、大枠として
- 毛穴をふさぐバリアを剥離する
- 皮脂を抑制する
- 殺菌する
といった方法が取られます。
(参照:尋常性痤瘡治療ガイドライン2017)
また、美容分野でも、毛穴をふさぐ角質の剥離などは、程度はゆるいながらも一般的に行われています。
(参照:ハーブピーリングでニキビ悪化、ニキビ跡も増えるご相談)
皮脂腺凝固法では、皮脂を出す皮脂腺自体を電気針で焼くことで、直接破壊できます。
これにより、その毛穴は皮脂が出ませんので、その毛穴ではニキビはできようがなくなります。
(参照:AGNES MEDICAL)
※上記は一医療機器メーカーの解説になり、他にもメーカーはあるようですが、肌に対しての原理は同じで「皮脂腺を熱で破壊」となります。
皮脂腺凝固で治してもニキビができる
皮脂腺が破壊されれば、その毛穴ではニキビができることはありません。
つまり皮脂腺のある他の毛穴ではニキビの要因がなくなるわけではありません。
同じ毛穴でニキビが作られ続けるケースでは、有効かつ効率的な方法です。
でも諸説ありますが、顔では約2万~20万個の毛穴※が存在するとも言われます。
したがって、たとえば皮脂腺を破壊した隣の毛穴でニキビができるような場合、治らないと「感じる」ことは不思議なことではありません。
※(顔の毛穴の数は[20個/1平方センチ]という話もあります。顔の表面積は約280~420平方センチとされ、その単純に積算するなら最大8400です。
「20万個」説はネットで多く見られますが、ソースも無く、汗腺なども含まれているかもしれません。ちなみに海外のロレアルパリ広報によれば約2万ということです。)
皮脂腺凝固法でも解決しない、思う方向ではないと感じたら
くり返すニキビの根本治癒という意味では、皮脂腺凝固メソッドは優れたニキビ治療と言えますが、特定の毛穴でくり返すケースでない場合は非効率になる可能性もあります。
また、「ニキビが治れば肌がきれいになる」と言うわけでもありませんので、もし「肌を健康でキレイにしたいのにニキビに悩んでいる」なら、別の方法も選択肢の一つにすることをお勧めします。
こちらからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2022年2月12日16:31 / 投稿者:kazuyuki terada