美肌育成に欠かせないニキビ菌
ニキビにお悩みの立場なら、ニキビ菌は「敵」に思われるのも不思議なことではありません。
が、ニキビ菌自体は、実際には「肌」にとって有用な菌でもある。これ自体は以前からも言われていることでしたが、さらに裏付けとなる研究もあります。
肌の役割
当たり前すぎて忘れられがちですが、肌の役割は「身体を守るバリア」です。
そのために、肌は最表面に、角質層という薄いバリア構造を作り続け、入れ替え続けています。
(参照:きれいな肌とは?)
このバリア構造は、死滅した表皮細胞がアミノ酸を含み重なり合い、その隙間を脂質が埋め、表面を皮脂膜が覆うことで、身体を守り、また水分の蒸散なども防ぎ、丈夫で柔軟なバリアとなります。
これら細胞・物質が入れ替わり「ながら」、このような構造が維持できている肌は、見た目にキレイで、健康な状態です。
肌のバリアもニキビの構成要因
肌表面のバリアは毛穴の入り口まで入り込んでいます。ここが荒れた状態になると、毛穴はふさがったり、角栓が溜まる状態になります。
ニキビ菌は、誰の肌にも存在する常在菌ですが、嫌気性・好脂性(酸素が嫌いで皮脂が好き)な性質のため、基本的に毛穴に住んでいます。
毛穴がふさがると「酸素が少なく、皮脂が多い」状態で、ニキビ菌には好適な環境となり、ニキビの炎症となっていきます。(※近年の研究では特定の株のニキビ菌が、ニキビの原因とも言われます。 参照:善玉ニキビ菌と悪玉ニキビ菌?)
※ふさがらない毛穴は「ニキビ」の構造にはなりません。そのため、多くのニキビ治療・ニキビケアでは、毛穴のふさがり=肌表面を除去します。
(参照:ニキビが何度も再発。何をすれば治るのか? 、 エピデュオゲルやめたらニキビ再発。どうすれば?)
善悪では割り切れないニキビ菌
ふさがった毛穴ではニキビの原因になってしまうニキビ菌ですが、一方では肌の健康維持にも寄与していることが分かってきています。
カリフォルニア大学サンディエゴ校のガロ研究所では、バリアを構成する細胞を様々な細菌にさらして、バリアとなる脂質の変化を分析しました。
(参照:にきび菌は、皮膚の健康に不可欠な脂肪、油、その他の脂質を生成する細胞を誘発します–新しい研究)
テストの結果、細胞内の脂質産生の増加を引き起こしたのはニキビ菌だけで、作られる脂質は肌のバリア維持や、水分損失を減らし、ダメージから保護するために不可欠なものでした。
また非常に興味深いことに、単にバリアの補助だけでなく、こうして作られる脂質のバリアは、「ニキビ菌に対しても」抗菌作用があることもわかりました。結果的にニキビ菌自身が「ニキビ菌が増えすぎて、肌全体の菌のバランスを崩れる」予防もしているというのです。
とはいえこれらのうち、どの脂質がどう有用に機能するか?実物の人体の皮膚ではどうなるか?は、まだまだ不明ですから、思い通りにとはいかないようです。
(ニキビ菌は以前から、皮脂を分解し、肌の保湿成分であるグリセリンを作るとされていましたし、逆に炎症を起こす物質もつくってしまうともされ、「状況による」ので「日和見菌」とも評されています。 参照:皮膚の常在細菌について 東京医療保健大学)
肌のバランスは、どうすれば?
いずれにしても、ニキビ菌自体が肌全体に影響を及ぼすわけではなく、良くも悪くもバランスの一部です。
肌全体のバランス、特に「理想的な」バランスにし、キレイにするには「手入れ」が欠かせないことには変わりはありませんが、そうしてニキビ菌が「いい仕事をできる環境」にしておくと、プラスの循環になっていくという期待はできるかもしれません。
まずはカウンセリングフォームからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2024年3月2日18:45 / 投稿者:kazuyuki terada