エレクトロポレーションでもニキビが治らない。というご相談
通常行われるイオン導入より、さらに深部に有効成分を浸透させると言われるエレクトロポレーションですが
- 赤みの跡を消すためにエレクトロポレーションという治療を始めたのですが、それ以降、ぱらぱらニキビが出て、大きいしこりニキビができ、皮膚科に電話したら典型的な好転反応と言われた。根本的に治したいのでPDT治療に変えるか迷ってしまっています。
- 皮膚科の勧めでイオン導入よりも肌の奥まで導入できるエレクトロポレーションを受けましたが、やはり受けた後に普段よりニキビが出ます。
- また、美容皮膚科に通っていてハイドラフェイシャルとエレクトロポレーションの施術を受けているのですが、フェイスラインにニキビができて困っています。
といったご相談をいただきます。問題を整理していきましょう。
もくじ
肌表面のバリア形成
私達の身体は、体の表面を角質層というわずか0.02mmの薄いバリアでおおわれています。
角質層は、肌表面のほんの少し下(0.2mm)の表皮基底層という部分で分裂した細胞が、表面に押し上げられながら分解され、バリア層を形成します。
このバリアは身体を守り、垢になり剥がれ、また新しい細胞がバリアを維持し続けています。
ニキビの形成過程
ニキビは肌表面のバリア層(角質層)が毛穴をふさぎ、皮脂が出れない状態、そしてニキビ菌などによる炎症が起きた毛穴の状態です。
エレクトロポレーションとは?
「エレクトロポレーション」については、美容や美容医療の宣伝で言われるものと、「本来エレクトロポレーションといわれるもの」では違いがみられます。
本来は「細胞」に電気パルスを当て、(細胞が壊れない極短時間で電流のオンオフのくり返し)細胞膜に一時的に穴をあけ、薬剤を導入する方法です。
(参照:What is electroporation? 、エレクトロポレーション(電気穿孔法))
美容医療やエステなどの広告では、「細胞同士の隙間を開け、美容成分を導入する」というような説明がなされているように、電気パルスにより肌に成分透過の経路を作り、イオン化していない成分でも真皮層まで浸透させるというものです。
(※とはいえ、いくつか見て回った中では「エレクトロポレーション(イオン導入)」という表記もありました。)
(参照:エレクトロポレーション (美容法))
エレクトロポレーションでニキビが悪化した?
上記リンク先にあるように、エレクトロポレーションは機器メーカー自身だけでなく、第三者機関による安全性を確認された純正品を使用するとされています。
もちろん導入の前にピーリングや過度のマッサージなどを行っていれば、バリアのダメージの影響もあり得ますし、また純正品以外の薬剤の使用などイレギュラーな経緯があれば話は変わりますが、それ自体がニキビを形成・悪化させるリスクは低いと考えられます。
何より、治療法以前の問題として、ニキビ自体が複数プロセスを経て形成されます。
見た目から「何かが出ようとしている」ようなイメージもあるので誤解が多いですが、もともと「何かが浸透すれば良くなる(悪くなる)」という性質のトラブルではないことも忘れずにおきたいところです。
(参照:なぜ、ケミカルピーリングでニキビは増えたのか? 、 ビタミンCのイオン導入で効果が出る肌・出ない肌)
エレクトロポレーションでニキビが治らないのはなぜ?
ニキビは毛穴で肌表面、皮脂、ニキビ菌などのバランスが崩れると形成されます。
肌表面も皮脂もニキビ菌も、通常、存在するものですから、これらが正常な状態のバランスに回復・維持できている必要があります。
エレクトロポレーションに限らず、ニキビ治療はニキビを治療しますが、バランスの改善や、正常なバランスの維持を行うものではないので、「ニキビが治らない」と「ニキビが出来やすい」を混同しないようにする必要があります。
(参照:ニキビが何度も再発。何をすれば治るのか?というご質問)
エレクトロポレーションで解消しないニキビは
上記のように、ニキビの慢性化を解決したい場合は、「ニキビに効く方法」自体がマッチするわけではありません。
ニキビを作るのは毛穴の肌表面、皮脂、ニキビ菌といった要因です。これらは消えてなくなるものではないので、普段の状態をどうするか?どう維持するか?などがポイントになります。
ご相談はカウンセリングフォームから。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2023年10月5日12:30 / 投稿者:kazuyuki terada