京都大学 アトピー改善するフィラグリン蛋白合成JTC801を発見


皮膚バリア機能を高めることでアトピー性皮膚炎の症状を改善させる内服化合物を発見

以下、引用

椛島健治 医学研究科准教授、大塚篤司 チューリッヒ大学病院皮膚科研究員(当時、京都大学次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点研究員)は、バリア機能で重要なフィラグリン蛋白の発現を促進しアトピー性皮膚炎の症状を改善させる化合物を発見しました。

概要(の要約)
アトピー性皮膚炎ではバリア機能低下で異物に対する免疫応答が過剰誘導され症状悪化する可能性があります。 このバリア機能を保つ上で重要な働きを担うフィラグリン蛋白の発現を促進し、アトピー性皮膚炎の症状を改善させる化合物を世界で初めて発見しました。

フィラグリンは天然保湿因子として働きます。アトピー性皮膚炎の約20~30%の患者さんにこのフィラグリン遺伝子の異常がみられます。 またアトピー性皮膚炎患者のほぼすべての方でフィラグリン蛋白が低下していることが知られています。 このことからアトピー性皮膚炎におけるフィラグリンの役割は世界中で大きな注目を集めています。

皮膚バリア機能を高めることでアトピー性皮膚炎の症状を改善させる内服化合物を発見

天然保湿因子(NMF)の生成について、様々な研究が行われています。アトピー性皮膚炎、体質的な敏感肌の場合では、本来的に角質層に必要な複数の成分が不足しています。

今回は「JTC801」という物質が培養表皮細胞のフィラグリン(プロフィラグリン)の発現を上昇させることがわかったということです。

以前、フィラグリンが天然保湿因子に分解される段階で「ブレオマイシン水解酵素」が重要な働きをしていることが報告されました(肌の天然保湿因子「NMF」産生メカニズム)が、 今回の発見はその前の段階、フィラグリン自体の量を増加させるものですね。

今後はフィラグリンをターゲットとした新たな治療戦略、特に新規内服治療剤の開発が期待されるということです。多少なりともアトピーの症状改善に役立つことを願います。

また「成分にできる事自体」は「その量や働きの調整」です。

基本的に肌-皮膚は環境の変化から体を守るための反応を起こし続けています。そのほとんどは生物の機能としては必要な反応です。なので、きれいで健康な状態に維持するためには日常のケアの必要性自体は変わりません。

「頭が良くなる成分の発見」があっても「勉強しなくても賢くなる」わけではないのと同じですね・・・。

追記)時事絡みの記事なのでアクセスが普段より多いのですが、解析してみると「京大・アトピー関連」に混じって「株価・関連株」というキーワードで検索されている方もいるのですね(^^;)

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2013年9月17日15:08 / 投稿者:kazuyuki terada