保湿しても治らないニキビとは

ニキビのくり返しを止める効果的な保湿方法とは


乾燥肌の大人ニキビのご相談には

  • 保湿してもニキビが治りません。化粧水が合ってないのでしょうか?
  • 肌断食、角質培養、保湿、皮膚科の薬など、効果はイマイチです。
  • 皮膚科にも何軒か行き薬も使って保湿も頑張りましたが全く治らず。
  • 保湿をしっかりして少し落ちつきましたが、生理前にはフェイスラインや口周りに赤いニキビが出ます。
  • 低刺激の化粧水等で保湿してますが、しみて赤くなります。

大人ニキビの特集などでは、以前に比べて「大人のニキビの原因は実は乾燥だった!だから保湿が大事!」的な宣伝も増えています。でも、上記のようにそれで問題が解決しているわけではないようです。

なぜなら「原因は乾燥だ。なら保湿だ。保湿ならこれ!」という「モノ」の話になるからです。

ニキビの形成機序に、皮膚の乾燥は関与します。だから保湿をがんばって解決すればいいですが、それで解決しないケースも少なくありません。

長期的なニキビの解消に保湿は大事ですが、「保湿さえすればいい」ということではありません

また「保湿化粧品さえ使えば、肌は保湿できる」というわけでもありません

さらに重要な事をいえば「化粧品の作用」で、肌の乾燥が治まるわけではありません

そもそも何のための肌の保湿?

「保湿」は必要ですが、「何を解決するか」という目的がまずは重要です。

ニキビの「慢性化」が問題なら、色んな化粧水やクリームを塗布しても、トラブルの解消は困難です。

なぜなら化粧品は薬品ではありません。したがって「成分の効きめで乾燥が治る」というものではないからです。

そのような考えで、慢性的な大人ニキビの解消にとりくんでも、トラブルを「くり返す要因」が放置されてしまいます。

「ニキビのくり返しの解決」には

ニキビを含めた肌トラブルの解消には、まず肌・角質層の理解が必要です。

角質層は私達人間の肌表面に作られ続ける、わずか0.02ミリの薄いバリアです。そして角質層には20~30%の水分が必要とされています。

角質層を構成する角質細胞は、ケラチンタンパクという繊維状のタンパク質でできています。

普通の肌とニキビが慢性化する肌
これは髪の毛などと同じ素材で、死滅した細胞です。細胞自体は生きていません。

これが乾燥すれば、ちょうどポテトチップのようにパリパリした状態で、もろくて強度はありません。

同時に、乾燥や肌荒れ、粉を吹く、といわれる症状にもなります。また、毛穴の角質層がこの状態なら、角栓やニキビの要因にもなります。

逆に安定的に程よく湿っている角質層は、柔軟で丈夫なバリアといえます。

だから丈夫なバリア構造と同じ状態にするため、保湿・保水ということを行うことになります。

ただ、仮に角質層の「細胞」一つ一つを湿らせても「バリア」が丈夫な構造になることとは違います。

「湿った角質細胞で構成された弱いバリア」では、スグに乾燥してしまいますし、また体を守るバリアとしては意味が無いわけです。

水分だけではなく、脂質やアミノ酸などもバランス良く作られ続けていることも必要ですし、それを安定してくり返す事が更に重要なポイントになります。

(参照:大人ニキビの原因と、それを知っても治らない理由皮膚科でもくり返す、しつこいニキビを根本的に止める方法

「ニキビの情報」で視野が狭くなる

また、情報=宣伝をたくさん見ることで私達は、

「自分に合う化粧水を見つければ治る。あとはそれを見つけるだけだ。」

というスタンスで問題を見るようになります。(私も自分の買い物ではついうっかりそうなりますが・・・。)

化粧水選びは保湿もニキビ解消もできない悪循環
では、それが「肌の問題解決になるか?」「スキンケアになるのか?」は、わかりません。

ある程度丈夫な肌なら「何をしてもそれなり」にはなるかと思いますが、「難しい肌」では、肌が水を抱えるわけでも、きれいになるわけでもないのです。

(参照:大人ニキビ用の化粧品でも、キレイになれない理由とは?

「ニキビの原因は乾燥」も変な話かもしれない

また「肌の乾燥」も、それ自体が「丈夫なバリアを形成できない肌」で起きるトラブルの一つです。

そういう前提にたつなら、肌の乾燥は単に「ニキビの原因」というよりも、「肌の問題の結果」でもあるわけです。

だから「乾燥はおさまったのにニキビができます」というご相談ではなく、「保湿しているのにニキビができます」というご相談になります。

乾燥肌がニキビの問題か、トラブルを起こしやすい肌で、ニキビも乾燥も起きているのか?
その肌では「乾燥も起きているし、ニキビもできている」からです。(参照:ニキビの完治なら、「ニキビの原因と治療法」の見直しを大人ニキビ・生理前ニキビの予防で陥りがちな、間違った問題設定

「保湿しても治らないニキビ」の解決方法とは

ある程度以上、丈夫なバリア構造をつくれて安定している肌なら、化粧品選びを楽しむことは、悪いことではないと私は思います。

でもすでに、「トラブルが起きやすく慢性化しやすくなっている」のであれば、それを回復させるには、「自分の肌の仕組み・状態」を優先して考えなければなりません。

「保湿が大事」は、あくまでも肌を健康でキレイにするためであり、「効くものを探す」のではなく、肌に合わせて考える必要があります。(参照:「大人ニキビが治る化粧水選び」が上手くいかない理由とは?

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2014年12月27日00:51 / 投稿者:kazuyuki terada