オイルフリー化粧品でもニキビが治らない。というご相談
ニキビと化粧品について「オイルフリー化粧品を使っているのにニキビが治らない」というご相談があります。
- 今までいくつか皮膚科にかかり、ディフェリンゲル、クリンダマイシンリン、アクアチムクリーム、ゼビアックスなど処方してもらいましたが効果は今一つ…。保湿はしっかりし、オイルフリーのものを使用しています。ニキビができる原因がわからず、本当に悩んでいます…。
- ニキビ専門エステでピーリングとイオン導入を受けて、化粧品はアドバイスから、オイルフリーを使用していますが、治らず徐々に悪化しており、途方に暮れている状態です。
- 基礎化粧品をオイルフリーやオーガニック系に変えましたが完治までは行きません。ニキビを完治したいです。
- 何件か皮膚科にも行き、薬をもらいましたがあまり効果は得られませんでした。
ニキビに良いというオイルフリーの化粧品を使っていますが、膿ニキビになり、ニキビ跡も非常に気になります。
化粧品の広告には「無茶なもの」も多く、売り手も買い手も双方で、誤解に誤解を重ねていることも少なくありません。まずは情報を整理しておきましょう。
もくじ
ニキビができるプロセス
ニキビは、毛穴がふさがる→皮脂過剰→ニキビ菌増殖といったプロセスでできます。
よく「原因は様々」と言われますが、「毛穴がふさがる原因」「皮脂量が増える原因」などが複数ありますので、それは間違いではありません。
皮脂が「出れない」からニキビになる
ただ、ニキビは「ぶつぶつした見た目」や皮脂過剰を伴うことも多いので、「何かが出ようとしている」とイメージする人が多いですし、そのイメージを煽る説明をする業者さんもいます。(参照:エステでのニキビ悪化や増加は好転反応?)
でも、実際のところ、ニキビになった毛穴は「毛穴から肌表面に出るはずの皮脂が、出れない」状態です。(開放面皰除く)
※だからピーリングや美容治療、皮膚科の治療薬の多くは、毛穴をふさぐ肌表面を剥離することで毛穴を開き「ニキビを治そう」と考えます。(参照:なぜ、ケミカルピーリングでニキビは増えたのか?)
「オイルフリーは良い」は、何に良い?
まず、昔から「油分・脂質はニキビの原因」という俗説も多いですし、皮脂過剰の「ベタつき」自体も不快なものです。
だからオイルフリー製品は、ニキビができやすい「肌」の問題以前に、ニキビに悩む消費者の「気持ち・好みに合うもの」になっています。
また「鉱物油が肌に悪い」というイメージ商法もありますが、それは以下を参照してください。
(参照:「鉱物油フリーの化粧品を使ってるのに、ニキビが治らない」というご相談)
このあたり、ある程度、肌が健康で丈夫な人は、「化粧品選びを楽しむ」のでいいかと思いますが、「肌に悩んでいる・本気で肌をキレイにしたい」という場合は、肌の役割や仕組み、バランスなどを考慮しましょう。
化粧品とニキビ
化粧品は法律上「作用の緩和なもの」と規定されています。つまり薬のように「○○成分が肌に効く」という性質のものではありません。同時に「副作用」のリスクもありません(ただし、もともとの肌質や、経緯、方法との相性などはあります)。
でも「ニキビケア」と宣伝する化粧品は、実際販売されているじゃないか?と思われるかもしれませんが、上記にあるようにニキビに悩む消費者の「気持ち・好みに合うもの」です。
ニキビ用化粧品が「ややこしい」ことになるのは、「薬まがい・治療まがい」の化粧品が多い事に拠りますが、長くなるのでここでは割愛します。
(参照:致命的な誤解。ニキビ予防のケア方法が上手くいかない理由)
「化粧品選び」の罠
化粧品には「薬まがい」の誤解もありますし、製品が供給過剰になれば広告も盛んになります。
あなたもネットで「○○に効果的な化粧品10選」「ニキビに悩んでいるなら試すべきおススメ美容液」みたいな記事は見てきていると思いますし、インフルエンサーが「リピ決定」といってリピートしてないのはよく目にするかと思います。
化粧品選びにあるのは「合う化粧品に出会えば、肌はキレイになる」というシナリオですが、これは広告業者が見せる世界観に過ぎません。だから化粧品ジプシーと言われる人も出てきます。
ある程度以上肌が健康な大半の人は、何を塗っても良くなった感じは得れますので、「選ぶのも買い物の楽しみ・語るのも楽しみ」でいいと思います。
が、「自分の肌はそうでない」と思う場合は、現実に基づいてスタンスや目的を考慮しましょう。
オイルフリー化粧品で解消しないニキビはどうすれば?
「なぜ、オイルフリーでニキビは治らない?」と思うのは、「オイルフリーでニキビは治るはず」という宣伝が原因ですが、これには根拠はありません。
また、そもそもニキビは「治す」と「できなくなる」を整理できないまま悩んでいる人が多いです。
ニキビを治すことは簡単ですが、ニキビができやすい人が「できにくくなる」ために必要なことは「治す」とは別です。
ニキビの「慢性化」は、一ひねり二ひねり、肌の理解が必要になります。すでにややこしい文章になってしまいますので、ご相談はカウンセリングフォームから。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2022年3月6日08:59 / 投稿者:kazuyuki terada