パントテン酸サプリでもニキビに効果なく、というご相談
- 皮脂を抑える為にパントテン酸のサプリを飲みましたが効果なし。
- 漢方とパントテン酸を服用していますし、ダラシンやディフェリンなどニキビに効くと言われている薬は全て使用したが効きません。
- パントテン酸が皮脂の抑制に効果があると知り、飲んでいますがフェイスラインや顎、首のニキビには効かず大きいニキビがたくさん出ています。
- パントテン酸で悪化を防いでいますが、顔以外にも胸も出来やすく、体も常に赤いニキビが出来やすいです。
上記のようなご相談をいただくことがあります。サプリメントとニキビについてよくある誤解は、化粧品のように「効き目に対する誤解」「治せば解決するという誤解」が重なります。
もしお悩みが単発的なニキビならいいのですが、長期的に繰り返すニキビにお悩みの場合は、誤解を少しずつ解きほぐしながら考えていくことが重要です。
もくじ
パントテン酸サプリメントは薬ではない
個人輸入代行業者が増加し、またニキビ治療の様々な情報もあり、個人的に海外のサプリメントや薬品を個人で入手しやすくなりました。
もちろんそれで解決すればいいですが、魅力的な宣伝で効果を期待したのに、思うように解消しなかった方からもご相談も寄せられます。
まずサプリメントは基本的に食品の延長です。したがって「薬」のような明確な薬理作用は期待しない方がいいと言えます。(※国内法であれば。もし作用がある場合、副作用の心配もあります。)
「パントテン酸はビタミンBなので皮脂を抑制する」という説明
まず、ニキビが皮膚で形成されるのは、毛穴の閉塞・皮脂分泌亢進・炎症といった複数の要因とプロセスの結果です。
先ほどお話した様にパントテン酸はビタミンB群の一つですので、多くの場合は体内の脂質代謝を促進し、皮脂分泌量を抑制できる→ニキビが治る、というような説明があるかと思います。
しかし、ニキビは皮脂過剰を伴う場合もありますし、過剰というほどではない場合もあります。
ニキビに絡めた宣伝では、「ビタミンBは皮脂過剰に効く」もしくは「ターンオーバーが良くなる」といったあいまいな話が多くみられますが、いずれも「食品」の枠内での話であり、「薬のような効き目」は考えにくいことを意識しておいてください。
(参照:ニキビ予防できる食事、ニキビが治るサプリメントの落とし穴)
パントテン酸自体は通常の食品で十分摂取できている?
パントテン酸のパントテンは「どこにでもある」という意味です。
水溶性で様々な食品に含まれています。また、わずかですが私たちの腸内で細菌が合成します。
そのため、通常の食事をしている人では不足することは考えにくいです。
また平成26年の日本の栄養摂取状況調査では、一人1日当たり平均5.33mg摂取しており、ほぼ目安量を充たしているといえます。
(参照:パントテン酸-wikiペディア、栄養摂取状況調査-厚生労働省)
「不足しているから→ニキビができる」というわけではない
また先ほどお話した様に、パントテン酸はビタミンB群(ビタミンB複合体)のひとつですから、主に皮脂抑制を期待されることがあります。
これも「ビタミンの不足が原因」であれば、抑制の効果も期待できるかもしれないですが、そうでないなら効果も期待できません。また皮脂のべたつきには「感じ方」の個人差もありますので、「良くなった気がするのですが」というお話も伺います。
さらにいえば、仮に抑制できればバリアの状態が正常になるかという問題もあります。
(参照:大人ニキビを繰り返さないためには?)
もし本人の感じ方とは逆に、過剰でもない皮脂量が減るようなことになるなら、バリアのバランスが崩れ、ニキビや他のトラブルの要因にもなりかねないわけです。(さほど心配はないと考えますが)
これについては、皮脂を構成する成分、そして「皮膚バリアの状態」をトータルで考えておく必要があるのです。
ニキビを治す効果は?
パントテン酸自体は、ビタミンB5ですから多少過剰摂取しても体外へ排出され、薬のように副作用のリスクは極めて低いと思われます。
また丈夫な肌をつくる「助け」にはなると思います。
なので、摂取することがマイナスになることは考えにくいと思っています。(国内法の範囲内であれば、極端な効果も期待しにくいですが副作用も考えにくいものです。)
またニキビの場合は「治そう」という努力自体が、長期的には悪化要因になることもあり得ます。
問題はパンテトン酸自体ではなく、ニキビを「治す作用」に対する「過剰な期待」にもある場合があります。
なによりもニキビの「くり返し」や、「長期的な」ニキビに関しては、「治せば解決する」という問題ではない場合もあります。
(参照:繰り返すニキビの対策方法。事前に避けるべきリスクとは?、ニキビを治す方法を頑張っても、新しいニキビができるなら)
摂取して効果があるか?の前に、バランスの改善につながるか?
パントテン酸に限った話ではありませんが、慢性的にニキビなどのトラブルをくり返す、ニキビ跡が続くなどの場合、「原因とされるもの」の一つに意識が向かいがちです。
例えばニキビの場合は毛穴の閉塞・皮脂分泌亢進・炎症といった複数の要因が重なります。
そして多くの場合は、これらの要因が重なるのは一時的です。
通常の状態の肌、バリア構造がバランスの良い範囲の肌であれば、悪化や長期化に悩まされることはありません。
そしてそれぞれの要因が起きる原因も様々です。
その一部を「原因」と解釈することは可能ですが、それに何らか対処を行うことでトータルでの肌のバランスが良い方向に変わるなら、結果は良い方向へ向かうはずですが、そうでないなら悪化要因にもなります。
難しいニキビの場合、最終的に「肌をどういう状態にしておくか」を意識しておくことが重要です。
まずはWEBカウンセリングからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2016年8月22日17:04 / 投稿者:kazuyuki terada