大阪公立大学:ニキビ患者へのバクテリオファージ療法
ニキビ治療に限りませんが、抗生剤の使用が困難になる状況での朗報になるかもしれません。
バクテリオファージ両方の臨床試験
大阪公立大学大学院医学研究科 皮膚病態学の鶴田 大輔教授、立石 千晴准教授、ゲノム免疫学の植松 智教授、藤本 康介准教授らの研究グループは、尋常性ざ瘡(ニキビ)患者を対象としたバクテリオファージ療法に関する臨床試験開始との報。
尋常性ざ瘡(ニキビ)患者を対象としたバクテリオファージ療法の臨床試験開始のお知らせ
上記リンクにもあるように、2050年には薬剤耐性菌(抗生剤が効かなくなった菌)による死亡者数は世界で1000万人を超えると推測されていて、これは死亡原因の1位になる予測もあるとのこと。
そのため”代替治療法の創出が急務”とあります。
(参照:抗生剤でもニキビが治らない。というご相談)
ニキビ治療への応用
紹介されている「ファージ療法」は、細菌に感染し、破壊するウイルス(ファージ)を用いて、狙った菌だけを破壊する方法で、化粧品(美容液)での臨床試験になるようです。
ニキビの場合は、「ニキビ菌」のみを破壊することで、薬剤耐性を持ってしまったニキビ菌に対しても効果が期待されます。
(図は直接バクテリオファージがニキビ菌を破壊していますが、試験で使用されるのは「ファージから抽出された酵素」かな?とも思いますが、はっきり分かりません。)
ニキビ治療は基本的に対症療法ですし、肌が弱い方は、どうしても肌を傷めます。短期で解消すればいいですが、長期間繰り返す場合は、長期間肌を傷めることになります。
実用化できれば、刺激のない対症療法になりえますし、他の細菌で生じる問題にも応用ができるといいですね。
(↓腸でも研究は進んでいるようです。上記の植松智教授の解説。)
多剤耐性菌の出現で注目の「天敵」バクテリオファージ
この治療自体については、当ホームページで10年前にも紹介していましたね。
ニキビ菌を殺すウイルスでニキビ治療
2020年にもこのような記事があります。
ウイルス使って病気を治す ロシアに残る冷戦の置き土産、いま世界で注目
対症療法でも出続けるニキビはどうすれば?
いずれもニキビ治療は対症療法ですが、本来ニキビは対症療法で解決することがほとんどです。
同時に「完治すればできなくなる」という誤解のせいで、うまくいかない場合はどうすればいいか?が分かりにくくなっています。
(参照:ニキビを根本治療したい。というご相談 、 ニキビ治療は対症療法なので、根本的に治したい。というご相談)
まずはカウンセリングフォームからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2024年1月27日11:13 / 投稿者:kazuyuki terada