
体質改善でニキビを治そう。しかし。
体質改善に取り組んでもニキビが治らないというご相談。
- 小学6年生でニキビができはじめ、治るどころか年齢を重ねてどんどん悪化し、今はできていないところがない状況です。皮膚科の薬や、様々な化粧品も良くならず、東洋医学の病院で処方された漢方薬で4年ほど体質改善を図りましたがやはり良くなりませんでした。
- 体質改善も必要とあったので、野菜やタンパク質をしっかり摂るよう心がけました。その間も皮膚科ではひどい時用のエピデュオやステロイドを使用しています。しかし根本的に治っている実感はなくニキビ跡や赤みも残って、自信を持てません。
- 体質改善にヨガにも通い、体内から改善できたら本当に治ると思いながら、最後の賭けで美容鍼にも通っています。でもいつまで経っても安定した肌にはならず、肌荒れをしない期間は一瞬で、ずっとニキビができます。
ニキビは見た目のせいで「体質」という言葉にも誤解を生じますし、また「体質改善」という言葉も解釈に幅があります。どう考えるといいか?
ニキビの要因
ニキビは肌表面のバリアが皮脂の出口である毛穴をふさぎ、皮脂が出れなくなり、酸素が嫌いで皮脂が好きなニキビ菌で炎症が起きた状態です。
また、炎症は毛穴の組織を傷つけ、その傷へ化膿を起こす菌が侵入しようとすると、身体はそれを防ぐため、白血球や免疫細胞が集まり、そこでバイキンと戦います。その死骸が膿です。
毒素やリンパの誤解
ニキビの改善に体質改善も考えること自体は悪いことではありませんが、上記のような要因が重ならなければ、毛穴はニキビ状に「なりようがない」ものです。
ブツブツの見た目で、特に化膿もともなうと、「どろり」としますので、色々と想像しがちです。が、毒素やリンパ液が漏れ出してできるブツブツというわけではありません。
(参照:ニキビの化膿について)
「ふさがってない毛穴」からは毒素やリンパ液が漏れ出ているわけではないので、デトックス的な解釈は、避けておくことが無難と言えます。
毒だし・リンパマッサージ系のエステ、またピーリングなどでもニキビが増えた際に「好転反応」と言われることもありますが、実際にはバリアの損傷→急いでバリアを作る→毛穴がふさがるという流れで起きています。
もともとニキビが、「悪いものを出している」というわけではないので、「ブツブツ」や「どろり」にまどわされず、「ニキビの構造・肌の仕組み・行為との関連」は注意深く解釈する必要があります。
長期的なニキビ
いずれにしても、ニキビについて「体質の問題なのか?」と考える理由は、通常のニキビ治療やにきびケアで解決せず、長期的にニキビをくり返すことで、「こんなに治らないなら、体質的な何か?」「体内の何か?」という経緯の結果です。
もちろん肌も毛穴も身体の一部です。が、長期的にくり返すニキビは、最初のようなニキビの要因・プロセスが続いている状態であることはイメージしておく必要があります。
(出口が「ふさがる」から、毛穴はニキビの状態になります。何かが出ようとしている状態ではなく、皮脂が「出れない」状態です。)
「体質」について
ニキビ菌は毛穴がふさがらない状態では無害ですので、体質とニキビの長期化については、「バリア形成・皮脂」について考えることになりますが、その前に「体質」と「体質改善」をどう考えるか?も問題になります。
よくあるのは、「体質=病気」のように考え、その改善を「治療で治る」かのように考えてしまうことです。
しかし実際のところ、体質とは「その身体の固有の個性」のようなもので、傾向自体は変えにくいものです(だから現在、遺伝子で何とかしようという試みがあります)。
なので、その人の体質で生じるトラブルを、補助をどうするか?と考えることが現実的です。
これは特別なことではなく、太りやすい人、痩せやすい人が食事や運動に気を使ったり、歯や歯茎が弱い人が口腔ケアに気をつかうなどと同じです。
これらの場合も平均や安全圏との「程度差」をなるべく埋めて、トラブルを回避する行為です。
ニキビをつくる要因は「バリア・皮脂・ニキビ菌」といった消せないもの・体に必要なものです。短期的に治すのは容易なので、ニキビの増減や有無で判断しがちです。
でも慢性化しやすい場合は、バリアや皮脂で生じる問題をどう手入れして回避しておくか?無理なく防げるか?が長期的解決のポイントになります。
(参照:誤解が多い「ニキビが治る過程」のイメージ)
体質改善でも続くニキビの解決
ニキビは長期化するほど「開放されたい」と思いますが、ニキビの要因は「肌表面のバリア・皮脂・ニキビ菌」といった、「身体に必要なもの」でもあります。
これらの除去や殺菌などでニキビを「治す」ことはできても、必要なものですのでまた作られます。
そして必要で作られ続けるものを、壊し続けることで、問題の長期化や悪化をもたらすこともあります。
これらのバランスをどう考え、どう取り組むべきか?まずはカウンセリングフォームからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2025年2月27日12:00 / 投稿者:kazuyuki terada