プラセンタ注射でもニキビに効果が無いというご質問

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ニキビ解消にプラセンタエキスの注射を試みる方から以下のようなご相談をいただきます。

プラセンタエキスといえば、クレオパトラやマリーアントワネット、秦の始皇帝や楊貴妃、近代ではマリリンモンローやヘップバーンも美容や若返りで使用していたと「される」ものです。

それを注射してどうなるのか？ニキビは解消するのか？考えていきましょう。

ニキビの形成要因

ニキビができるプロセスは「肌表面が毛穴をふさぐ→皮脂が肌表面に出れない→菌などによる炎症」というものです。

ニキビは「体内の何かがブツブツになって出る」的なイメージですし、それを煽る宣伝も多いですが、そのような性質のトラブルとは違います。

プラセンタ注射に期待されると言われるニキビへの効果

美容系の皮膚科HPなどで宣伝されているものでは

「抗炎症作用・抵抗力向上でニキビの炎症を抑える。含まれるアミノ酸でターンオーバーを正常化する。ホルモンバランスを整える。美白効果でニキビ跡の色素沈着を防ぎ、コラーゲン生成を促し、クレーターの跡を軽減させる」

あたりになります。とはいえ、実際にニキビに対して、どの程度の作用や副作用のリスクがあるか？はよくわかっていません（効果があれば皮膚科学会が承認するように働きかけていると思いますが）。逆に、更年期障害や慢性肝疾患への治療薬としては認可されており、一定の効果を期待できると考えられます。

参照：ラエンネック 、 メルスモン

また、基本的には良質のアミノ酸注射にはなるかと思います。体調は良くなるのかもしれません。（参照:Human Placental Extract as a Subcutaneous Injection Is Effective in Chronic Fatigue Syndrome: A Multi-Center, Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Study-皮下注射としてのヒト胎盤抽出物は慢性疲労症候群に効果的：多施設、二重盲検、無作為化、プラセボ対照試験）

「ホルモンバランスの影響」のイメージ

プラセンタエキスは胎盤から抽出されるものですので、「胎盤から出たものなら、ホルモンバランスの改善にイイかも」と連想ゲームのように考える方もいます。でも…

等のご相談もあります。

更年期障害にも使用されることからか、ホルモンバランス＝プラセンタが効きそうというイメージもあるようです。

女性の場合、生理周期によるホルモンバランスの変化で、生理前にニキビが増えることがあります。

皮脂量はホルモンバランスの変化の影響を受けますし、また皮脂が刺激になり、肌表面が厚くなり、毛穴をふさぐこともあります。皮脂そのものもニキビ菌のエサとなりますので、特にニキビについて影響はあると言えます。

が、ホルモンバランスや皮脂量の変化は、珍しいことではありません。ほとんどの方はそれだけでニキビはできませんし、できても悪化や長期化を伴うわけではありません。(参照:低用量ピルの服用、やめたらニキビ再発。というご相談。 、 ピルでも悪化・再発をくり返す大人ニキビ。健康的な肌を取戻す方法)

当然ですが、男性も慢性化する人はします。ここが問題です。

化粧品のプラセンタは効果があるの？

化粧品使用の場合、まず、「化粧品は薬ではない」という認識が必要です。
「プラセンタエキスが肌に浸透して細胞から元気になる」みたいなイメージは抱くべきではありません。

ただし、保湿剤としては肌馴染みや感触の面などで優秀な性質もあり、狂牛病騒動以前は、高級化粧品の保湿剤の一部に使用されていました。そのため「保湿剤に期待できる効果」という範囲での可能性はあります。（「プラセンタならでは」なのかはわかりません）。

※化粧品で使用されるものはヒトプラセンタではなく、豚、馬、最近では魚（鮭の卵巣膜）などもあります。

プラセンタエキス注射でも続くニキビの解決は

プラセンタエキス注射は、作用も不明確な点が多く、単発的であれ慢性的であれ、ニキビ治療としては「なぜ推奨するのか？」がよくわからないものです（悪化はしないとは思いますが）。

もし、あなたも「何となく効きそう」と思いプラセンタ注射を継続したけど、ニキビが止まらないとお悩みなら、まずカウンセリングフォームからご相談ください。