ニキビを根本治療したい。というご相談
ニキビのご相談いただく場合、多くは
- ハーブピールを1年半ほど試したが再発もひどく、その後PDT治療を2年ほど続けても根本から治療できていないから、いくらやっても再発してしまう。
- 皮膚科、美容皮膚科の治療、ニキビ用化粧品を使ったりしましたが、効果は得られなかったです。何が根本治療になるのか知りたいです。スッピンで自信を持ちたい!と思っています。
- 根本治療したいけど、皮膚科では同じ薬ばかりで終了してしまうし、美容皮膚科でも治療したけれど、何が根本治療であるのかわからずに露頭に迷っています。何度受けてもまたできてします。
- 美容外科で光や針治療やピーリング、NMN点滴や幹細胞上清液で内側から改善しようか、何をすれば根本治療できるのか悩んでいます。
という「悩み方」をされています。
多くの場合、ニキビの慢性化や長期化、跡が残りやすい、薬が効かなくなってきたなどの状況にある方です。
「悩み方」と「実際のニキビ」について、イメージにズレがあると上手く解決しません。その点を踏まえて「ニキビの根本的な治療」について考えていきましょう。
もくじ
毛穴がニキビになるプロセス
ニキビは肌表面のバリアが毛穴をふさぎ、皮脂が出れなくなり、ニキビ菌などで炎症を起こすといった、複数要因が重なった状態の毛穴です。
ニキビを構成しているもの
上記のように、ニキビは「肌表面のバリア・皮脂・ニキビ菌」でつくられます。
そしてこれらは、「ニキビが無い状態の肌」にも存在します。
また、肌表面のバリアはもちろん、皮脂やニキビ菌も、肌に必要なものですから「作られ続けているもの」です。
「ニキビ治療」のアプローチ・シナリオ
ニキビは「肌表面のバリア・皮脂・ニキビ菌」でできますから、ニキビの治療は基本的に「バリアの除去、皮脂抑制、殺菌」といった方法が採られます。
ピーリング行為や美容治療、ディフェリン、エピデュオ、デュアック、ベピオと言った薬はバリアの除去、皮脂抑制はアゼライン酸やピル、殺菌は抗生剤。またこれらには複数のアプローチを同時にできるものもありますし、今後はそのような新薬も増えるかもしれません。
いずれにしても、これらでニキビの治療や予防ができます。基本的に対症療法ですが、ニキビも通常は一時的なものです。
根本的に治しても、またできる
肌表面のバリア、皮脂、ニキビ菌は常に作られ続けています。ニキビを治し、これらがノーマルなバランスに回復すれば、毛穴は通常の状態です。
逆にバランスが改善せず、「毛穴をニキビにしやすいバランスのまま」なら、ニキビはできやすいままです。
「根本的な治療」という言葉は、「病根があり、病根を断てばもうニキビはできなくなる」というイメージが前提にあります。
でも実際の肌では、常に要因は作られ、バランスが崩れると毛穴はニキビとなります。
もともとが「完治=できない」という種類のトラブルとは違いますので、宣伝のイメージに振り回されないことも大切な点です。
(参照:ニキビが何度も再発。何をすれば治るのか?というご質問 、 二度とニキビができないようにするにはどうすれば?というご質問)
「根本治療」で生じるイメージと誤解
関連してニキビが改善するプロセスを「ニキビが徐々に減り→その延長で→できなくなる=完治」というイメージもよくあります。
でもニキビの要因「肌表面のバリア、皮脂、ニキビ菌」は常に作られ続けています。
対症療法中は、これらを除去・抑制・殺菌して、ニキビを治したり・減らしたりできますが、治療を終えて「素の状態」になった肌が、ノーマルなバランスを回復・維持できていないなら、またニキビができるのは、不思議なことではありません。
ニキビが再発すると、「根本的に治っていない」と感じますが、もともと「病根がブツブツを出す」というトラブルでもなく、行っていることも対症療法です。
(参照:ニキビ治療は対症療法なので、根本的に治したい。というご相談)
ニキビは「治療し続ける」という説明
通常、肌は短期的に「荒れる・バランスを崩す」などがあっても、しばらくすればノーマルなバランスへ回復します。
そのため(多少ハードな方法でも)対症療法でニキビを治しておけば解決します。
逆にもともとバランスが崩れやすい肌では、何度ニキビを治しても、治療の効果を失った「素の肌」はトラブルを起こしやすいままです。
したがって、でき続けるニキビに対して「治す」事を目的にするなら、「出続けるニキビを治し続ける(対症療法を続ける)」という意識も重要になります。このあたりは以下のリンクを参照にしておくと良いかと思います。
(参照:Why Pimples Can Return After Acne Treatment)
※イソトレチノインは例外とありますが、それでも1年以内に3~5割程度が再発とあります。(参照:イソトレチノインで治ったけど再発)
でも「治し続ける」ことで問題が生じているなら
もともとニキビは「いつできてもおかしくないもの」です。鏡を凝視していなければ気づかないような小さなニキビは、誰でも多少はできます。
ただ、ほとんどの場合、悪化も長期化しませんし、多少こじらせても治療してしのげば解決します。
それがうまく行かない場合は、「治し続ける」です。
ところが、
「治すほど悪化する」「ニキビは治せているが肌が荒れていく」「副作用が出て続けられない」「妊娠希望なのでピルを止めたい」など様々なケースがあります。
そのような場合は肌のバランス改善も一つの方法です。
まずはカウンセリングフォームからご相談ください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2023年10月26日12:30 / 投稿者:kazuyuki terada