A反応を乗り越えてもニキビが治らない、A反応が止まらないご相談
話題の「A反応」について以下のようなご相談が、ここ数年、増えてきています。
- 皮膚科の薬を塗っても飲んでも治る気配がなく、ビタミンAを使うエステに行きました。「A反応でひどくなりますが、乗り越えたら大丈夫」という言葉を信じましたが、さらに悪化。その後は皮膚科の病院を変えたり漢方を試したりとしてみましたが、思うような結果にはなりません。
- ビタミンAの化粧品を使ったところ、レチノイド反応の赤みや痒みが出て中止しています。
- レチノール系やビタミンCの美容液で一度落ち着きましたが夏頃から悪化。その後処方されたエピデュオはニキビも増えて、依然ニキビ跡の赤みがひどく気になると相談したところ処方されたベピオを使っていますが、白ニキビや頬や顎の赤ニキビが増え全体的には悪化しています…
- レチノールを勧められてクリームを塗るようになりましたが、翌日に小さくなったようにみえるものの、その後さらに吹き出して、変わりません。ニキビ痕も気になります。
レチノール配合の化粧品やエステサロン、また医療でも注目されており、またSNSのインフルエンサーの活躍もあってか、10年前に比較して宣伝も盛んになりました。
「レチノール、ビタミンAは確実にニキビを治す」という話はあり、それ自体は良いのですが、確実に治しても「またできる」「刺激に耐えれない」などのご相談もあります。
なぜそうなるか?どうすればいいか?全体の把握をして考えていきましょう。
ニキビの要因を理解する
ニキビができるプロセスは、「肌表面の角質層が毛穴をふさぐ→皮脂が肌表面へ出れない→ニキビ菌が炎症を起こす」といったものです。
ニキビを治すにはビタミンA。の理由
ニキビは肌表面が毛穴をふさぎ、皮脂が出れなくなることで形成されます。
ニキビ菌は嫌気性好脂性(酸素が嫌いで皮脂が好き)の常在菌ですから、条件が重った毛穴では増えやすくなります。
したがって、毛穴をふさぐ肌表面を除去し、皮脂分泌を抑制することでニキビ治療が可能になります。
ビタミンAには角質の剥離を促進し、皮脂を抑制する効果があるので、ニキビ治療では効果が期待できると言えます。そのため、外用・内服においても、ビタミンAや類似した成分の治療法や美容法、薬品や化粧品成分でも、盛んに使われるようになりました。
参照(ビタミンA導入でもニキビが治りません。というご相談 、 イソトレチノインでもニキビが治らない・再発する副作用が…というご相談)
ビタミンAでうまく治療できないケースでは
ビタミンAに限らず、ニキビ治療は対症療法です。
そしてここで誤解が生じやすいのですが、「ニキビは本来、対症療法で治せばそれで解決するようなトラブル」です。
ニキビが続けば、「治し方に問題がある・治し方が合ってない」と考えがちですが、そもそも「治しても解決しない」という点を理解してお必要があります。
(参照:二度とニキビができないようにするにはどうすれば?というご質問)
ビタミンA系の治療では、「効いている間」は角質の剥離や皮脂抑制でニキビを抑え込めますが、同時にそれは「止めたら再発」する理由でもありますし、また「肌のバランスが崩れて悪化」の理由でもあります。
また、実際に「合う合わない」の話は多いですが、ビタミンAの代謝がスムーズにできない人の場合は、過度の刺激になってしまいますので、注意が必要です。
“マスト細胞が活性化してしまい、ヒスタミンやケモカイン、炎症性サイトカイン、脂質メディエーターなどが皮膚中に放出されて慢性的な炎症が導かれる”
(参照:過剰なビタミンAが引き起こす皮膚炎の原因を解明 ―線維芽細胞が司るマスト細胞の組織特異性のかく乱―)
※日本で言う「A反応」は、海外では「Retinol Burn(レチノール熱傷)」と言うようです。(参照:What Is Retinol Burn and How to Prevent It)
「A反応が耐えれない、乗り越えてもまたできる」という場合の解決方法
上記のように、ニキビ治療はニキビを治す方法です。
でも、ニキビを構成するのは、肌の表面や皮脂、ニキビ菌といった、「普通に肌にあるもの」です。ニキビは「治せばできなくなる」というタイプの問題とは違います。
にもかかわらず、バリアを除去するような方法を長期間行えば、当然「バリアの問題」が生じることになります。
「ニキビのくりかえし」は、そのような肌で起きる問題の一部です。
では、どうすればニキビができなくなるか?
まずはカウンセリングフォームから、これまでの経緯や現在の状況をお知らせください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2022年4月30日16:06 / 投稿者:kazuyuki terada