スピロノラクトンでもニキビが治りませんというご相談
一時ほどではありませんが、スピロノラクトンでもニキビが治らないというご相談が、最近また増えてきています。
- 20代でフェイスラインニキビ。美容外科に勤める知り合いの医師の勧めで、スピロノラクトンを内服し、男性ホルモンを抑えました。効果があったのですが、それも効かなくなり、現在何もしていません・・・。
- 皮膚科に相談に行ったところアルダクトンというホルモン剤を出してもらい、ニキビが出来なくなったら少しずつ減らして最終的に0にするという治療法なのですが、今でもニキビが出来るので四錠のままです・・・。
- 産婦人科でマーベロン、美容皮膚科でアルダクトン。それでも治らず、ロアキュタンを処方され、一ヶ月で脱毛と湿疹の副作用がでてやめました。今は顎と頬に出続け、治らないです。
いわゆる「ホルモン治療」といわれる範疇で考えていいかと思いますが、これでうまく行かない場合、何が問題か?どうすればいいか?考えていきましょう。
もくじ
ニキビができる要因
まず、ニキビは複数の要因が毛穴で重なった結果です。
ざっくりとですが、肌表面の角質層が毛穴をふさぎ→皮脂が出れず→毛穴がニキビ状態。そしてニキビ菌で炎症する、といった「要因が重なった結果」とお考え下さい。
人によっては「生理前にニキビが増えやすい」ということもありますが、皮脂量が増えるタイミングになるので、上記の要因が重なりやすくなります。
※いろんな情報を見ていると「ニキビができる=ホルモンに問題がある」と感じがちですが、いきなり結論付けず、気になる場合はきちんと検査し、はっきりさせる方が良いでしょう。
(参照:ホルモンバランス改善でもニキビが治らないご相談)
スピロノラクトンのニキビへの効果や副作用
ご相談でよくあるパターンとして、標準治療とされるニキビ治療で改善せず、スピロノラクトンを処方されることが多いようです。
元々は体の体内の水分と塩分を排出して浮腫(むくみ)を取り、血圧を下げるなどの働きを期待されるもので(抗アルドステロン性利尿・降圧剤)、選択性(狙い通りの作用のみ起きる)が低いため、性ホルモンに関わる副作用が起きやすいとされます。(男性なら女性化乳房、女性では月経不順や多毛の症状)
バランス的には女性ホルモンが多くなる方向(男性ホルモン抑制)に傾いてしまうとされ、この副作用を期待して低用量ピルと合わせ、ニキビ治療に用いられると考えられます。
スピロノラクトンでも治らない、効かない、悪化した
- スピロノラクトンという男性ホルモンを下げる薬を飲んでいますが、それでもだめです…
- ベピオ は治らないし、ディフェリンとゼビアックスも使用済みです。
ただ既出のように、ニキビは複数の要因・プロセスによって毛穴がニキビ状態になりますから、「ホルモンバランスが原因で出るブツブツ」というわけではありません。
ピルも含めて「効かない」ということも起きますし、また、肌表面のバランスが崩れてしまえば肌の状態が悪化するリスクがあります。
その場合、ホルモンバランス自体ではなく、ホルモンバランスやその変化による皮脂量の変化に、肌が過敏に反応しているという問題もあります。
(参照:ピルでも悪化・再発をくり返す大人ニキビ。健康的な肌を取戻す方法)
スピロノラクトンの服用をやめると再発
スピロノラクトンの使用をやめると悪化した、というパターンのご相談もあります。
- 皮膚科受診しミノマイシン、スピロノラクトン、ビオチン散を処方され2ヶ月くらいでよくなったものの生理不順になってスピロノラクトンを中止したらまた悪化し、前より酷いです。
- 飲み薬は、口周りのニキビが悪化し始めた3年ほど前にスピロノラクトンと桂枝茯苓丸を処方され、効果がありましたが、飲み続けるわけにもいかないので中止すると元の肌状態に戻りました。
これらは「ニキビに効いた→止めたら再発」のパターンです。
服用中は薬の効き目(副作用)で皮脂要因を抑制することで毛穴のニキビ化を軽減できると言えますが、薬の作用(副作用)が無くなった時に、肌が「トラブルを起こしやすいバランス」のままなら、再びニキビの要因は重なりやすくなります。
スピロノラクトンに限らずニキビ治療薬全般に言えることですが、本来ならニキビは「対症療法で解決するはずのトラブル」です。
(参照:低用量ピルの服用、やめたらニキビ再発。というご相談。 、 ニキビ治療は対症療法なので、根本的に治したい。というご相談)
だから対症療法で解決しないニキビは、「治してもくり返す理由」を理解する必要があります。
スピロノラクトンでも治らないニキビはどうすれば?
長期的にニキビに悩むと、実感としては「ニキビが治らない」という言葉で問題を認識します。でも、その認識が「実際に肌で起きている問題」と一致するとは限りません。
ニキビは対症療法で治せば解決するトラブルですが、治しても出続ける場合、一つの方法は「治し続ける」です。
でも、あなたもすでに「治し続けても出続けるけど、どうすれば?」という状況になっているかもしれません。
まずはカウンセリングフォームから、これまでの経緯など詳しくお伝えください。
私たちもあなたと同じように、悩んでいました。でも今は...
2022年6月16日21:25 / 投稿者:kazuyuki terada